赤ちゃんの性別が男の子か女の子かわかった後、まずパパとママが考えないといけないのが「赤ちゃんの名前」ですよね。
これから一生をかけてその名前で生きていくことになると考えたら責任重大。いい名前を付けてあげたいところです。
というご家庭も多いかと思いますが、生後2週間以内に役所に出生届を出さないといけないので、あらかじめ候補は決めておく必要があります。
ウチの場合、元出版社勤務ということもあって、とにかく漢字にはこだわりました。
あまり知られていませんが、実は漢字にはいろいろ決まりやルールがあって、
「名前にふさわしくない漢字」もたくさん存在するのです。
ということで今回は、赤ちゃんの名前をどう付けようか悩んでいるパパやママに向けて、
・名前にふさわしい漢字
・名前にふさわしくない漢字
・漢字にこだわった名前の付け方
・2020年生まれの男の子にオススメの漢字
・2020年生まれの女の子にオススメの漢字
など、とにかく漢字にこだわりたい方向けにまとめてみました。
✅目次チェック
名前にふさわしくない漢字とは
まず、漢字は「常用漢字」と「常用外漢字」の大きく二つに分けられます。
常用漢字の2136字は小学校~中学校の間に学校で習う漢字でもあります。
小学校6年間で1026字を学習し、残りの1110字を中学校で学習します。
小学校で習う漢字のことを「教育漢字」ともいいます。
一方で、常用外漢字は学校で習うことはありません。
ですので、漢字を正しく読める人や書ける人が少なく、公式の文書では使用を避ける漢字でもあります。
そのように社会一般では使われない漢字が常用外漢字とされていますが、普段目にすることが多い常用外漢字もあります。
よく見かける常用外漢字
嬉 叶 絆 叩 喋 揃 掴 濡 捧 儲 溜 罠 也
昔に比べて広く使われるようになっている常用外漢字もあることから、社会的な変化や慣用によって見直されることがあります。
2010年に常用漢字が29年ぶりに改訂され、現行の2136字になりました。
(「嵐」「岡」「狙」「丼」「凄」など196字が追加された)
常用外漢字を名前に使わないほうがいい理由
次のような理由から、常用外漢字を名前には使用しないほうがいいです。
・書体によっては表示されない常用外漢字がある
・漢字の形が特殊なものが多く、間違われやすい
書体によっては表示されない常用外漢字がある
これは出版社に勤めていたときによく遭遇したケースですが、
かわいい書体やおしゃれな書体を使用しようとしたときに、常用外漢字だけが文字化けしてしまうことがあるのです。
いわゆるデザイン書体の多くは常用漢字を中心に作られているため、このような不具合が出てしまいます。
漢字の形が特殊なものが多く、間違われやすい
たとえば「絆」の右側は「半」ではないですし、「儲」の右側は「者」ではないように、
微妙に形が変わったりしているため、常用漢字と比べるとはるかに間違われやすい漢字になります。
以上の理由から、常用外漢字は名前には使わないほうがいいです。
常用漢字かどうかを一発で確認することができるサイト。
>>「常用漢字チェッカー」
名前に使ってもいい常用外漢字
常用外漢字のなかにも、名前に使ってもいいとされる漢字があります。
その漢字のことを「人名用漢字」といいます。
よく見かける人名用漢字
葵 蒼 薫 萌 圭 絢 彦 弘 浩 紗 隼 聡 敦
人名用漢字は戸籍法上も使用することが認められていますが、やはり学校では習わない漢字のため、一般的には知られておらず間違われやすい漢字になります。
人名用漢字も「常用漢字チェッカー」で調べることができます。
漢字にこだわった名前の付け方
まず、次のように優先順位をつけて、名前に使う漢字の候補を考えていきます。
① まずは、常用漢字の中から候補を探す。
② ①にない場合は、人名用漢字の中から候補を探す。
たとえば、漢字2字の名前にしたいのであれば、2字とも人名用漢字を使うのではなく、
1字目は常用漢字、2字目は人名用漢字といったように意識してみるのがいいです。
小学3・4年生に習う漢字がオススメ
小学校では学年によって習う漢字が決まっています。
小学1年生 | 80字(一,百,上,大,水,田,人など) |
---|---|
小学2年生 | 160字(母,米,牛,少,分,南,内など) |
小学3年生 | 200字(漢,運,守,銀,真,使,命など) |
小学4年生 | 202字(陸,博,果,佐,縄,茨,媛など) |
小学5年生 | 193字(賛,謝,築,桜,貸,導,歴など) |
小学6年生 | 191字(異,磁,離,劇,貴,憲,裁など) |
オススメは小学3・4年生に習う402字の中から選ぶことです。
その理由は、1・2年生に比べて漢字がはるかに難しくなり、一年間で習う漢字の数も5・6年生よりも多いことから、3・4年生で漢字につまずく子が多いことにあります。
3・4年生になって「漢字むずかしいな、覚えるの大変だな」と思ったときに、一つでも書き慣れた漢字があるということは実はとても大切なのです。
と思われた方もいるかもしれませんが、実はその一字知っているということが大きなアドバンテージになります。
なぜなら、漢字は熟語単位で覚えていくからです。
たとえば、ウチのゆうくんの名前の一字である「真(3年生で習う)」ですが、
「真実」「真相」「真心」のように、同じく小学3年生で習う「実」や「相」を熟語でセットで学習することになります。
漢字を覚える際に、自分の名前が使われた熟語は比較的抵抗なく覚えていくことができるので、一字を正しく書けるということはその後の学習全体にもつながっていきます。
漢字の語源を意識した選び方がオススメ
漢字には一字一字に「漢字の成り立ち(語源)」と「意味」があります。
将来子どもが大きくなって、「その名前にはどのような意味や願いがあるのか」を伝えてあげるためにも、
名前を付けるときに語源も意識してみるのもオススメです。
漢字の語源の調べ方
①漢字辞典で調べると、すべての漢字が説明されている
②小学校の学年一覧で語源を調べられる
>>「OK辞典」
赤ちゃんの名前にオススメの漢字(2020年生まれ)
これまでの漢字の選び方を整理すると、次のような3ステップになります。
1)常用漢字の中から候補を選ぶ(ない場合は人名用漢字の中から選ぶ)
2)小学校3・4年生で学習する402字に絞り込む
3)語源や意味を調べて、よりふさわしい漢字を選ぶ
これらを踏まえて、2020年生まれの赤ちゃんの名前にオススメの漢字トップ10を発表します。
男の子にオススメの漢字トップ10
登 (ト・のぼる) | 意味:引き上げる/実る/合格する 小学3年生で学習 |
---|---|
洋 (ヨウ・ひろ) | 意味:広く大きい/満ちあふれる 小学3年生で学習 |
栄 (エイ・ひで・とも) | 意味:繁栄する/光/輝き 小学4年生で学習 |
建 (ケン・たけ・たつ) | 意味:成し遂げる/始める 小学4年生で学習 |
康 (コウ・やす・ひろ) | 意味:心穏やか/すこやか/大きい 小学4年生で学習 |
治 (ジ・おさ・はる) | 意味:整える/正す/助ける 小学4年生で学習 |
滋 (ジ・しげ・よし) | 意味:増える/潤す 小学4年生で学習 |
達 (タツ・さとし) | 意味:つらぬく/悟る/成し遂げる 小学4年生で学習 |
利 (リ・かず・のり) | 意味:良い/順調な/鋭い 小学4年生で学習 |
陸 (リク・あつ) | 意味:まっすぐ/まとも/踊る 小学4年生で学習 |
「建」…サッカーの久保建英選手と同じ「たけ」の字は、これからますます人気が高まります。
「達」…「たつや」という字は爽やかな印象があって昔から人気です。ゆうくんの名前の候補に「たつや」がありました。
「滋」…もともと中学校で習う漢字でしたが、来年2020年からは小学校で習うようになる漢字です。テストにも頻出です。
女の子にオススメの漢字トップ10
詩 (シ・うた・ゆき) | 意味:感動をリズムで表現する 小学3年生で学習 |
---|---|
波 (ハ・なみ) | 意味:小さな波/動く 小学3年生で学習 |
美 (ミ・よし) | 意味:きれい/純粋/立派である 小学3年生で学習 |
由 (ユ・ユウ・よし) | 意味:頼る/手本とする 小学3年生で学習 |
和 (ワ・かず) | 意味:やわらぐ/のどか/うららか 小学3年生で学習 |
衣 (イ・エ) | 意味:包む/おおう 小学4年生で学習 |
結 (ケイ・ゆい) | 意味:人と人をつなぐ 小学4年生で学習 |
香 (か・かおり) | 意味:すばらしい/立派な 小学4年生で学習 |
奈 (ナ) | 意味:場所を示す/疑問を表す 小学4年生で学習 |
梨 (リ・りん) | 意味:果物のなし 小学4年生で学習 |
「和」…令和になって子どもの名前に付ける人が増えています。
その他にオススメの漢字
すべて小学3・4年生に習う漢字です。
【小学3年生】
幸 昭 章 勝 実 重 真 進 有 予 葉 陽
【小学4年生】
愛 英 加 果 芽 希 季 健 佐 菜 初 照 信 成 清 静 望 牧 勇 良 連 令
オススメの名前
最後に、もしもゆうくんに弟や妹ができたら、こんな名前にしてもいいかなと思う名前です。
男の子の名前
・陽登(はると)
・達也(たつや)
・勇太(ゆうた)
・良哉(りょうや)
・陸斗(りくと)
・建(たける)
・章(あきら)
女の子の名前
・美由(みゆ)
・美波(みなみ)
・詩多(うた)
・和沙(かずさ)
・英梨(えり)
・結衣(ゆい)
・愛(あい)
以上、2020年生まれの赤ちゃんに名前を付ける際の漢字あれこれでした。マニアックな話でしたのに、最後までお読みくださりありがとうございます!